高血圧はなぜ、健康上問題となるのでしょうか?それは、脳血管障害・心臓病・腎臓病・眼底出血など重大な病気の原因となるためです。
別名「サイレントキラー」とも呼ばれる高血圧は、もはや中年世代や高齢の方だけに見られるものではありません。35歳以下の高血圧=「若年性高血圧」と診断される人もじわじわ増えてきているのだとか。
高血圧とはどんな病気なのか。どうして高血圧になってしまうのか。注意点や改善する方法は?これらの疑問にお応えしたいと思います。
目次
意外と盲点。腸と高血圧の“関係”

皆さんは血圧が高くなる原因、どんなものを思い浮かべますか?塩分?運動不足?不眠?ストレス?
実は、“腸内環境”も関係していたのです!私たちの腸には細菌がいーーーーーっぱい、棲みついています。その数、なんと約100兆個!種類にして、100種類以上になると推計されています。
腸の桃源郷?腸内フローラ
これらの腸内細菌は、その種類ごとにまとまって、腸内の壁面に存在しています。その様が、まるで花畑のようであることから、「腸内フローラ(flora : お花畑)」と呼ばれているのです。
この腸内フローラの理想的なバランスは善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割と言われています。しかし、この腸内フローラのバランスが崩れてしまうと、中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)が体外に排出されず、吸収され、それが血管を通って全身をめぐることになります。
つまり、血液はドロドロの状態で流れ、血管壁に脂肪が溜まるリスクが増加、やがて高血圧を引き起こすことになるのです。
腸内フローラを整えるためには、善玉菌優勢の腸内環境を作ることが重要です。善玉菌の代表格といえばご存知、乳酸菌。乳酸菌は悪玉菌の増殖を抑えるほか、便秘の改善、免疫力UP、そして血圧降下と嬉しい働きがたくさんあります。
乳酸菌を含む食品として、おススメしたいのがヨーグルト。詳しい内容は改善方法のヨーグルトの項目にまとめているので、興味のある方はご覧ください。
血圧が高くなる仕組み

「血圧」とは、心臓がギュッ、と縮まった際に送り出される血液が、血管壁を押し広げようとする力のことです。血圧は常に一定の値を取っているわけではありません。心臓から送り出される血液の量や、血管の硬さ、心臓の収縮力などによって左右されるため、血圧は常に変動しています。
血圧は普段、神経系とホルモン系の相互作用によって調節されています。「神経系」とは、みなさんも一度は聞いたことがある、交感神経と副交感神経のことを指します。一方で「ホルモン系」とは、脳下垂体や腎臓から分泌される様々なホルモンのことを指します。
しかし、ストレスや精神的過緊張、肥満、運動不足、塩分過多、喫煙、飲酒、加齢などの要因によって、この2つの調節機能が本来の働きとは違う動きをすることになり、高血圧のキッカケになってしまうのです。
case.1 ストレスや過緊張
例えば、ストレスや精神的過緊張は、末梢血管を収縮させます。末梢血管が収縮すると交感神経が刺激され、カテコールアミンといったホルモンを分泌させます。このホルモンは心拍出量を上げる効果があることから、血圧上昇につながります。
case.2 塩分過多・肥満・運動不足
塩分の過剰摂取や肥満・運動不足の人は、体内の塩分(Na)濃度が濃くなるので、体は体液を一定に保とうとします。
そのため水分を摂取したり、汗や尿を出さないようにします。しょっぱいものを食べると、水が飲みたくなるのはそのためです。水分を摂ると、当然体液量が増えますから、血圧上昇につながるわけなんですね。
他にも、血管自体が細くなる、血管の中に脂肪が詰まって細くなる、血管が硬くなるといった原因で血圧があがることがあります。
これが高血圧。なると怖いコト。

高血圧とは、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の状態を表します。どちらか一方でも、当てはまれば高血圧です。
しかし、血圧値は変動しているため、たった1回の測定で判断できるものではありません。医療機関で何回か測定して、継続的に血圧値が高い状態であれば高血圧になります。
また、高血圧にはその値によってレベルがあります。正常高値血圧、Ⅰ度高血圧、Ⅱ度高血圧、Ⅲ度高血圧と、後ろになるほど重度になります。
日本高血圧学会では、高血圧と診断する具体的な値を以下の表によって分類しています。
収縮期血圧値 | 拡張期血圧値 | ||
正常値高血圧 | 130~139 | かつ/または | 85~89 |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | かつ/または | 90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | かつ/または | 100~109 |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | かつ/または | 110以上 |
参照 : 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン(http://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014v1_1.pdf)
Ⅰ度高血圧以上が高血圧と判定されます。正常値高血圧は、高血圧になる一歩手前の状態であることから、高血圧予備軍と呼ぶ人もいます。
気になる人体への影響
高血圧になると、血管に圧力がかかった状態が続くので、次第に厚く、硬くなっていきます。そのため、動脈硬化が進行することがあります。
動脈硬化になると、血管がもろく硬くなって、破れやすくなります。他にも、血管の蛇行(うねる)、狭窄(狭くなって通過しにくい)がみられます。
細い血管ほど、この動脈硬化の変化は顕著になってきます。そのため、細い血管の多い腎臓や脳、眼底などは動脈硬化の進行が怖いですね。もし動脈硬化を放っておくと、血管が破れ出血し、脳出血やクモ膜下出血、眼底出血などを引き起こします。
日本人の上位死因を占めるこれらの病気を引き起こす高血圧はやはり怖いですよね。動脈硬化は、食生活や運動、喫煙などでも進行します。日々の生活習慣を改善して予防していきましょう。
マンシェット式の人は試してみて。簡単動脈硬化チェック

動脈硬化が原因の病気の一つとして、「閉そく性動脈硬化」があります。これは、足の血管の動脈硬化によって、痛みやしびれ、やがて歩行困難に陥る病気です。特に40代以降の男性によくみられます。
この動脈硬化、自分の身体は大丈夫なのか確認したいですよね?動脈硬化は病院の精密検査で判断されることが多いのですが、マンシェット式血圧測定器を持っている人は、自宅でその傾向がないか、簡単に診断できるので試してみて下さい。
- 上腕の血圧を測定し、メモします
- 足首の血圧を測定し、メモします
- 血圧比を計算します。そして以下の式に数値を代入して下さい。
ABI (Ankle-Branchial Index) = 足首の最高血圧/上腕の最高血圧 - 一般に足首の血圧は上腕よりも高いはずなので、ABIの値が1.0以上なら、動脈硬化の心配はありません。
通常であればABIの値は、1.0~1.2の間と言われています。しかし、ABIが1.0未満の値になった人は、動脈硬化が進行している可能性があります!40代以降の男性の皆さんも、その年代のパパをもつご家族の皆さんも一度チェックしてみては?
体験談から見る、3つの効率的な改善方法

高血圧の改善方法はすでに様々ありますが、ここでは実際にこれらを試してみて、効果があった方法をまとめました。ぜひ、参考にしてみて下さい。
その1.グーパー体操
このグーパー体操は、朝起きたらそのまま布団の上でできるので、動く手間もかかりません。やり方はとっても簡単!
- 手足を天井に向けて真っすぐ伸ばす
- 自分の年の数だけ(足りないと思ったら30秒間)、交互にグーパーする。
グーパーすることで、手足の筋肉が動いて毛細血管を拡張し、血行を良くします。また、天井に向けて伸ばすことによって、重力の力を借りることができます。心臓より高い位置になり、末端から心臓へ血液が流れ、さらに血行促進につながります。
また、朝だけではなく、デスクワークでずっと同じ姿勢をとる人にもおススメです。可能なら、タオルを足指で引き寄せる体操もやってみて下さい。
このグーパー体操を続けたことで血圧が下がっただけではなく、手足の冷えが解消され、握力が上がるという嬉しい効果もあります。
その2.減塩だけじゃない、お酢のパワー!
高血圧を対策するには、やはり食事管理は欠かせません。なかでも塩分の摂取は控えたほうがいいです。厚生労働省が定める日本人の食塩摂取量は1日男性8g、女性7g未満です。
ただ、減塩を既に試してみている方や、他の食事療法を探している方に今回、酢をおススメしたいと思います。近年では、黒酢やリンゴ酢など、酢を使った商品やサプリメントが人気で、ダイエットにも注目されていますよね。
実際に、酢の大手メーカー・ミツカンの研究でも、酢を摂取することで高血圧を下げる効果があると科学的に証明されています。では、どんなタイミングで、どれほど摂取すればいいのか気になりますよね。
量は、1日大さじ1杯(15ml)が目安です。炭酸や水などで希釈したものを毎日継続して摂取するようにしましょう。タイミングは、空腹時や就寝前を避け、食事中や食後が効果的です。
また種類で言えば、黒酢が効果的だそうです。なんでも黒酢に含まれる成分が、血圧を上昇させる原因である酵素の働きを抑えてくれるからだそうです。
高血圧と言えば、減塩を意識した食事をするのが基本とはよく聞きますが、それに加え、酢をとりいれて血圧予防していきましょう!
その3.ヨーグルトで腸内フローラを活性化させよう
血圧を改善していくためには、腸内フローラのバランスを保つことが大切です。善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑える必要があります。
善玉菌を効率的にとるなら、やはりヨーグルトがおすすめです。ヨーグルトには、カリウムも含まれているため、ナトリウムの排出を促し、体内の塩分濃度を抑える効果があります。
まさにヨーグルトは、私たちの健康を支えてくれる救世主なのです。
迷っている人におススメ!プロバイオティクス
しかし、ヨーグルトと言ったって、スーパーに行けば何種類もあるし、どれを選べばいいのか正直分からない。という方におすすめしたいのが、プロバイオティクスヨーグルト。
プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを改善し、身体によい作用をもたらす微生物たちのこと。また、その微生物が含まれた食品を総じてプロバイティクスと言います。
もちろん、乳酸菌は生きていても、死んでいても効果はあります。ではなぜ、プロバイオティクスヨーグルトが普通のヨーグルトよりもいいのかというと、胃酸に強く、腸まで生きたまま届く乳酸菌が複数、含まれているからなんです。
これらのヨーグルトを摂取する場合は、1日100g~300gを目安にしましょう。また、1種類のヨーグルトを食べ続けるのではなく、各メーカーのヨーグルトを複数継続して食べるようにするとより効果が期待できます。。
ヨーグルトの他には、納豆やキムチ、甘酒、味噌といった発酵食品もプロバイオティクス食品です。ヨーグルトだけじゃ飽きちゃうと思うので、これらの食品も効果的にとりいれてみたいですね。何事も「継続」が大事です。
腸を整えれば高血圧も怖くない

高血圧患者は約4300万人いると推計されています。
しかし、実際に診察を受けているのは20%ほど。残りの80%弱の人たちは、独自に生活習慣を見直しているか、放置している人が大半なのです。
脳出血や心臓病などの突然死は、起こってからでは後悔しようもありません。
血圧と腸内環境の関係を知ったあなた!腸内環境を整えることは、あらゆる重大な病気から、私たちを守ってくれます。今日から、高血圧対策に乳酸菌をもっと活用していきましょう!
 
 
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